千代田区といえば、永田町や霞が関、そして皇居が集う日本の中枢地区です。
そのため夜間人口は東京23区内で最も少なく、総人口は6万人ほど。
ですが住宅街はいくつかあり、なかでも「番町」一帯は、江戸時代から続く由緒ある高級住宅街です。
皇居が目の前にある番町とは、一体どんな街なのでしょう?
旗本から華族や官僚、そして大物政治家が住んだ街
番町という地名は、徳川将軍の直属護衛である武家「大番組」から来ています。
今で言う、皇宮警察に近い役職ですね。
大番組は一番〜六番組まであり、それがそのまま現在の町名になりました。
明治維新後も、その立地条件からそのまま華族、政治家、官僚らが住むようになって、大豪邸が建ち並び、そのまま高級住宅街へ。
田園調布や大和郷(本駒込6丁目)の郊外型と違い、都心型高級住宅街の典型例です。
時代が経るごとに一戸建ては姿を消し、現在では都内有数(というか国内有数)の高級マンション街となりました。
名門校や大使館に囲まれた高級マンション街
都心のド真ん中にあるため、どの路線を使っても番町にアクセスできます。
麹町駅を出ればそこはもう番町。
日本テレビ麹町分室の方へ向かって歩けば、名門校が密集した地域へ入ります。
千代田女学園や、女子学院があります。
他にも雙葉学園、大妻中学高校といった名門女子校も。
また、千代田区では数少ない区立校・番町小学校(明治4年(1871年)開校)という伝統校もあります。
子どもたちが元気よく下校していました。
こんな都心のド真ん中で小学生がワイワイと走っている光景、なんか不思議な感じがしますね。
中高層マンションの中に、高くて長い塀の大豪邸が。
千代田区のド真ん中にもあるんですね、このような一戸建て。
固定資産いくらぐらいなんだろう……?と、俗なことを考えてしまいます。
お城(皇居)が目の前にあるだけあって、坂道が多いですね。
番町の標高は、24メートル(三番町)から30メートル(六番町)まであります。
かつては富士山がキレイに見えたんでしょう。
歩いていると、またもや長い塀が。
それも桁違いに長い……
なんとこの和風なお屋敷、ローマ教皇庁大使館(バチカン大使館)なのです!
門番も立っていないし、こんなところにあるとは意外でした。
バチカン市国がローマ市内に小さくあるように、この駐日大使館も番町の中でひっそりと鎮座していたとは。
ここにも一戸建てが!
高級マンションと道路にはさまれるよう、どっしり構えています。
見た感じ、年季の入った木造建てですが、5,60坪はありそうな敷地。
番町千鳥ヶ淵アビタシオンなど、高級マンションが向かい合わせに。
「家賃いくらなんだろうな?」と推測しながら歩くと、また楽しかったりします。
千鳥ヶ淵公園とイギリス大使館もある一番町方面
ちょっとした坂道を歩いて、内堀通りへ出ると、千鳥ヶ淵がドンと目の前に。
交差点に面するよう、超高級マンション一番町パークマンションがありました。
ホテルっぽいというか、生活臭がまったくしないんですよね。
借りてる人は芸能人や高級官僚でしょうか。
内堀通り沿いには木々が異様にキレイに植えられています。
公園とはちょっと趣が違うな、と思ったら、よく見たことがある旗が。
駐日イギリス(英国)大使館です。
立派な造りだけど、あまりに広すぎ!
この都心のド真ん中に3万5,000㎡もの敷地面積があるのだとか。
その割には土地代が超安く、開国から最近にいたるまで結構もめていたそうです…
お上品な鉄柵がずっーと続きます。
さすがガーデニングの国だけありますね、柵だけでも品格があります。
この英国大使館の真向かいには、千鳥ヶ淵公園があります。
これもまた細長い。
一風変わった公園ですが、ちゃんと喫煙所もあるし、みんなのんびりと散歩していて雰囲気は良いです。
内堀通りの交通音は気になるものの、千鳥ヶ淵の緑が目の保養になります。
東郷元帥記念公園とその回りは日常的光景
番町の方へ戻ります。
三番町には東郷元帥記念公園があります。
子どもたちが野球をしていたり遊んでいたりと、非常に日常的な光景が広がっています。
こんな所(といっては失礼ですが)で育っても、走り回って遊びまくる子ども達にひと安心。
この公園は名前のとおり、東郷平八郎の家があったことから、昭和4年に開園されました。
日本テレビが近くにあることから、よくロケ現場にも使われていますね。
高低差があって面白い作りになっています。
公園の坂道の方を登っていくと、九段と市谷方面へ。
イオンのスーパーや、小じんまりとした民家やスーパーがありました。
日常的な風景にホッとします。
それでも存在感があるのは、やはり高級マンション!
ブランズ四番町です。
エントランスの前に門があるのは、このあたりでは当たり前の光景です。
四番町から五番町にかけて歩いていくと、市ケ谷駅方面へ。
JR市ケ谷駅は五番町にあります。
このあたりもかつては武家屋があり、市谷砂土原町はその面影を今でも残していますね。
関連記事:市谷砂土原町ってどんな街?
番町の地価とマンション価格
地価公示(2019年)によると、千代田区二番町3−1の地点で、
418万0000 円/㎡
1381万円/坪
となっています。
……えっ、ひと坪、1381万!?
一瞬、目を疑いましたよ。
この価格、住宅地としては全国1です。
本サイトにおいては、港区の麻布を超えています!
単純計算で、たった10坪で1億3千万以上、50坪で6億以上、100坪で12億……
いやー、桁違いどころじゃありませんね。
マンションの価格と賃貸料をみてみましょう。
番町千鳥ヶ淵アビタシオンは3LDKで110平米で、9500万円。
一番町パークマンションは2LDKで132㎡だと、1億4,720万円台から。
ブランズ四番町は3LDK(94㎡)で、1億9,000万。
2019年9月に完成したBrillia 一番町も当地にふさわしい立派なお値段がします。
賃貸はどうでしょうか。
1LDK(60㎡)で20万円台からありました。
いやー、賃貸でも桁違い。
高いところだと、ラ・メール三番町レジデンス。
3LDK(193㎡)で110万円の物件が出ています。
番町のメリット&デメリットと評価
メリット
・元祖お屋敷街
・東京の中心どころか、日本の中枢に居を構えられる
・皇居が徒歩圏
・名門校が多く教育環境は抜群
・交通の利便性が高く、どこへでもすぐに行ける
デメリット
・高級住宅街といえど、やはり騒々しい
・これから一戸建てを建てるにはムリがある
・商店街など皆無で、生活感が希薄
評価
・高級感 AAA
・ステータス SSS
・土地単価 SSS
・利便性 SSS
・環境 AA
総合評価 SS
※最高点をSSSとします。
※本サイトによる独断評価です。
※2019年現在の情報です。