評論文が得意になるには?『中学入試国語のルール』を読んでみて.2

前回に引き続き、石原千秋氏による『中学入試国語のルール』を参考にしながら、国語の文章問題について考えてみましょう。
(前回の記事を未読の方はこちらから→小説問題が得意になるには?『中学入試国語のルール』を読んでみて.1

今回は評論問題についてです。

東京都の公立中高一貫校に関していえば、桜修館中等教育学校以外、評論やエッセイといったものが出題されます。
たとえば今年2015年度ではこのような文章が出題されていました→公立中高一貫校国語文章問題の出典と傾向─2015年度版

なので、評論問題についてはより知っておく必要があります。

スポンサードリンク

            

評論文の3つの特徴


石原氏いわく、中学入試に出題される評論文には3つの特徴があります。
  • 1.「ふつう」だと思っていることに疑問を投げかける文章であること
  • 2.ちょっとした飛躍がある文章であること
  • 3.適度な悪文であること
1については、すんなり理解できると思います。
ふつう=常識に対して「でもそれってちょっと違うんじゃないの?」と疑問を投げかけてくる文章です。

2と3については、やや理解しづらいかもしれません。
ちょっとした飛躍があるというのは、論理を飛び越している文章のことです。
そして適度な悪文とは、やや説明不足だったりすこし読み難い文章のことで、一読しただけではすぐに理解できない文章のことです。
そのため、問題を解く際に、受験生はこの「書かれていないこと」=文脈を読み取らなければなりません。
なので、こういった要素を含んだ評論文が入試問題に適しているわけです。

評論は何かと何かを対比させる


評論文とは、「自然と科学」や「個人と他者」のように何かと何かを対比させながら論を進めることが多いです。
これは書き手がどちらの立場にいて主張する際に、根拠を示すことができるからです。

石原氏は「評論問題をたくさん解くことによって、入試でどういう言葉が支持されやすいのかを覚えること」を薦めています。
同時に、対義語をセットにして覚えていくのも良いです。
これは中学入試に限らず、大学入試から様々な試験まで使えるものになります。

志望校を決める時は国語の文章問題に注目


ご存知の通り、中学入試国語ではお説教くさい言葉が多く出題されます。
なぜかというと、「国語問題とは学校空間への適性を試す科目だから」。
つまり、国語の文章題は学校側からのメッセージなのです。

なので、石原氏は志望校を決める際「国語に特に注目して欲しい」と書いています。
そこで学校側からのメッセージ、つまり「うちの学校はこのような生徒を求めている」ことを読み取ることができます。
パンフレットに書かれたのが表向きな学校紹介だとしたら、国語問題は内なる学校紹介といった感じでしょうか

これもまた中学入試に限った話ではなく、高校・大学入試でも同じです。
東京大学など難易度の高い学校になればなるほど、独自性が強くなる傾向にありますね。

取り上げられている評論文と学校


評論篇である第9講〜16講の見出しと、取り上げられた学校と出題文を記しておきます。

第9講・あいまいな日本人の「ノー」 江戸川女子中学校2006年度入試より森本哲郎『日本語 表と裏』
第10講・比べ方で変わる日本人論 東京電機大学中学校2007年度入試より金田一春彦『ホンモノの日本語を話していますか?』
第11講・「しぐさは文化」を読み取る 成城学園中学校2007年度入試より清水義範『行儀よくしろ。』
第12講・「前にならえ」をするわけは? 成蹊中学校2006年度入試より三浦雅士『考える身体』
第13講・優劣で測れない世界 桐光学園中学校2007年年度入試より保坂和志『途方に暮れて、人生論』
第14講・隠されている「教訓」 栄東中学校2005年度入試より日高敏隆『人間はどこまで動物か』
第15講・ちょっと意外な家族観 大妻多摩中学校2006年度入試より内田樹『疲れすぎて眠れぬ夜のために』
第16講・言葉が世界の形を決める 芝浦工業大学中学校2006年度入試より池田清彦『科学はどこまでいくのか』

日本を中心とした比較文化論や、教訓、そして科学文明論まで扱われています。
10年ほどまえの出題なので、現代のトレンドとやや異なりますが、注目はやはり石原氏の解説にあります。

ちなみに、昨今の評論文で取り上げられるテーマをまとめて本をこの記事で紹介しているので、参考までに→国語力を高める!中学入試頻出ジャンル50冊

国語にたった1つの正解はない


よく出来た本というのは、あとがきまで力がこもっており、本書も例外ではありません。

本書のあとがきにも記されていますが、石原氏は一貫して「正解」という言葉を使わず「答え」という言葉を使っています。
その理由は、まずそもそも国語に「たった1つの正解」などないはずであくまで入試問題においての「答え」にすぎないから、という考えのためです。
「本来、小説も評論も自由に批評的に読んで良いはずである。にも関わらず、唯一の答えがあるかのような国語教育をしている。「正解」が出たらそれで終わりにしており、これは読解力の低下に繋がる」と氏は指摘します。
また、学校ではこの「正解史上主義」でやっていけたとしても、社会に出れば正解などない毎日がやってくるからだ、と言います。
一見、入試批判に繋がりかねない見識ですが、非常に賛同できます。

ただ、入試問題は読解力を向上させその後の人生に使える技術を多く身につけることができます。
それを入学後いかに展開させていけるかが、国語だけでなく今後の教育の課題となってゆくでしょう。

中学入試国語のルール (講談社現代新書)
石原 千秋
講談社
売り上げランキング: 21,091
関連記事

スポンサードリンク


にほんブログ村 受験ブログ 中学受験(本人・親)へ
にほんブログ村
            

tag : 中学受験 国語 評論 石原千秋 公立中高一貫校

2015-07-21 18:57 : 国語対策 : コメント : 0 :
コメントの投稿
非公開コメント

« next  ホーム  prev »

ブログ村

にほんブログ村 受験ブログ 中学受験(本人・親)へ

にほんブログ村 受験ブログ 中高一貫校受験へ

プロフィール

masa

Author:masa
息子と共に私自身も勉強して行きます!

Subscribe with Live Dwango Reader

検索フォーム

カウンター