小説問題が得意になるには?『中学入試国語のルール』を読んでみて.1

中学入試対策はその後の人生でプラスになる、と問題を研究していてつくづく思います。
主要4教科である国語・算数・理科・社会とも、どれも重要で中学・高校・大学で学ぶ基盤となります。

その中で、実生活でも特に触れることが多いのは何と言っても国語です。
日本で育ち生活している以上、日本語を使って物事を考え他人と交流しているのだし、また英語など外国語を学ぶ上でも母語力(国語力)が不可欠となります。

今回、石原千秋早稲田大学教授の著書『中学入試国語のルール』を読みました。

中学入試国語のルール (講談社現代新書)
石原 千秋
講談社
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石原氏は日本近代文学の専門家であると同時に、高校や大学の「受験国語」に関する本も多く出されており、どれも定評があります。

そこでこの本を参考にしながら、中学入試における国語問題とは何か考えてみたいと思います。
今回は小説問題について。

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中学入試の国語で求められるもの


本書は序章と小説篇8講+評論篇8講で構成されています。

序章は30ページほどなのですが、ここに中学入試の国語についてのエッセンスが要約されており、ここだけでも読む価値があるほどです。

その中で、石原氏は中学入試国語で求められているものを4つ挙げています。

1.辞書に載っているような言葉の意味やその使い方を知っていること。
2.前後の文脈をきちんと読めること
3.文章全体として何を言いたいのかを理解すること。
4.現代社会が私たちに何を求めているのか(世間の常識)を知っていること。
(P.30より)


1〜3については学校で学ぶが、4については直接学ぶ機会がない。だが、試験では4〜1と逆から理解しなければならない、と氏は言います。

なぜ小説問題ができないのか?


評論やエッセイは得意なのに、小説問題になるとまるでダメ、という受験生は多いです。
これは小学生でも高校生でも社会人でも変わらない現象でしょう。

小説問題ができるかできないかを見分ける4パターンを、本書では指摘しています。


1.「世間の常識はこんなものだろう」と、一段高い所から見て(メタレベルで見て)答えを考えを考える子供。
2.思った通り、感じた通りを答えたら、正解が答えられる子供。学校によく馴染んだ優等生で真面目タイプ。
3.思った通り、感じた通りを答えたら、ことごとく不正解になってしまう子供。2とは対照的に、学校空間に適応できていないが、能力はあり個性的なタイプ。
4.どうにもこうにも答えが出せない子供。読書量や大人との会話が不足しているタイプ。
(P.31より)

上記で、小説問題が解けるタイプは1と2のタイプです。そして本書は、1のタイプへ目指すことを目標としています。

この1のタイプになるとは、「メタレベルに立つ」ことを意味します。
つまり「大人な目線」で物事を見るわけです。

小説問題が不得意な原因は2つ


石原氏いわく、小説問題ができない理由は2つあると言います。

1つは、登場人物の気持ちがわからない、というもの。
これは登場人物への感情移入ができてないために起こります。
もう1つは、全体として何を言っているのかわからない、というもの。
つまりテーマを把握できていないということです。

しかしこのような不得意な原因を理解しても、受験の学力は身につかないと石原氏は言います。
いわく、「後者のテーマを把握できないのは読解力が無いというより、中学入試国語のパターンをよく身につけていないから」起こるのです。

では、中学入試国語の小説問題では何が求められているのか?

中学入試の小説問題では何が問われている?


小説問題では何が問われているのか?
単刀直入にそれは「書かれていないこと」です。
そしてその書かれていないこと、とは「登場人物の気持ち」なのです。

中学入試の小説問題では必ずと言ってよいほど、「登場人物の気持ち」が問われます。
なぜなのか?
それは「登場人物の気持ち登場人物の行動」となっているからです。
なので、気持ちが理解できれば、行動も理解できたということになります。
「その気持ちは何か?」は「その動機は何か?」と言い換えても良いほどで、石原氏は他の著書で「入試問題は裁判と似ている」と述べています。

どうすれば小説問題を解けるようになる?


ではそんな小説問題を解けるようになるには、まず何をしたら良いのか?
本書では「出題された小説のパターンを一文でまとめること」、つまり要約文を作ることを薦めています。

要約文は小説だけに限らず、様々な文章問題への基礎訓練として非常に役立ちます。
詳しくはこの記事でも書いてますのでご覧ください→要約力と作文力を身につける方法とは?

けれども、なぜ小説のパターンなのか?
それは登場人物の気持ちは小説のパターンから逆算して理解するものだからです(P.36)。
中学入試問題に限定していえば、「小説のパターンが先にあって、気持ちが生まれる」。
なので、「登場人物に自由に感情移入してしまうと、間違える可能性が高くなる」と石原氏は言います。

取り上げられている見出しと小説


第1講〜8講の見出しと、そこで取り上げられている学校で出題された小説を紹介しておきます。

第1講・答えは必ず小説の中にある 世田谷学園中学校 2005年度入試から伊坂幸太郎『チルドレン』
第2講・行動から気持ちを探る 国府台女子学院中学部 2007年度入試から阿部夏丸『泣けない魚たち』
第3講・「言葉のしぐさ」を読み取ろう 芝中学校 2006年度入試から重松清「ひこうき雲」(『その日のまえに』収録』
第4講・隠れた気持ちを読み取る力 筑波大学附属中学校 2006年度入試から重松清「ひこうき雲」同上
第5講・「気持ち」のヒントを見つけよう 桐明中学校 2005年度入試から佐藤雅彦「マック」(『砂浜』収録)
第6講・答えを一つに決めるには 神奈川大学付属中学校 2005年度入試から片山右京『負け、のち全開』
第7講・「みんなの気持ち」を考えて 城北中学校 2006年度入試からあさのあつこ『あかね色の風』
第8講・「予想通りの展開」に安心感 大妻多摩中学校 2006年度入試から浅田次郎『霞町物語』

石原氏は講義の見出しの付け方が非常に上手いな、と関心してしまいます。
出題されている小説も読みたくなるものばかりですが、氏の解説の方が面白く、生で講義を受けたいほどです。
1講1講、目からウロコな解法で発見があります。
ぜひ、解きながら読まれることをオススメします。

次回は評論篇について。
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tag : 中学受験 国語 小説問題

2015-07-18 23:26 : 国語対策 : コメント : 0 :
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