暗記力を高めて、受験に勝つ!

暗記、というのはどこかマイナスなイメージを抱かれています。
多くの人は、試験前に単語や公式を一夜漬けでやって少し経てばあっという間に忘れている、というのを多かれ少なかれ経験しています。
なので、「暗記なんて意味がない」といつからか考えるようになってしまった。

こういった暗記に対する負のイメージを植えつけたのは、数十年前の詰め込み教育からでしょう。
その脱却として、ゆとり教育が生まれました。

しかし、ゆとり教育は「暗記なんかしなくても良い」という暗記軽視を植え付けることになりました。
結果、児童どころか大人まで日本人全体の学力低下に拍車をかけた、というのはよく耳にする話です。

私は何事に対してでも暗記力は不可欠なもの、と考えています。
私たちが普段「読んで聞いて書いて話している言葉」は、それまでの人生の暗記の結晶と言えます。

受験の場合、それまで暗記してきたものを発表する場です。
私は息子の受験勉強を共にやるのと並列して、自分の資格や英語などの勉強もしています。
そこで暗記の重要性というのを改めて痛感しています。

最近は暗記を再評価する動きも見えて、明治大学教授の齋藤孝氏による以下の本があります。

暗記力
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齋藤 孝
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この本を参考にしつつ、暗記の重要性について記してみます。

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日本人の識字率が世界一だったのは、暗記と素読のおかげ


江戸時代の日本は、当時の欧米諸国と比べて世界トップクラスの識字率を誇っていたと言われます。
その要因として、寺子屋や藩校などで行われていた素読教育が大きいでしょう。
素読とは四書五経など漢籍を、そらんじて音読する、つまり暗誦することです。

江戸時代以降も明治から昭和初期あたりまで、教育に熱心な家庭では自発的に行われていました。

暗記力を鍛えたから偉人になった


森鴎外、夏目漱石、正岡子規、島崎藤村といった明治期の文人偉人たちは、例外なく素読教育を受けています。
これら同時代人の中でも特に南方熊楠が突出しています。
「他所で読んだ何十冊もの本を歩きながら暗唱し自宅でそれを書き写した」という南方の少年時代のエピソードは有名ですね。
彼がイギリスに渡り、たった数年で高級学術誌『ネイチャー』に論文を掲載されるほどの英語力を身に付けられたのも、少年時代に身につけた素読・暗記力の賜物です。

日本人初のノーベル賞受賞者である湯川秀樹も素読教育を受け「それが研究だけでなく人生の生き方にも役立った」と自伝に記されています。

暗記はスポーツ


暗記を重視するのは、かつての日本に限った話ではありません。

人口比に比べて天才が多いユダヤ人もまた、暗記に異常なまでに力をいれています。
分厚い聖書(トーラー)を、徹底的に暗記するのです。
そのやり方は、身体を動かしながら大声で暗唱してゆくというもので、まさしく全身全霊です。

暗記とは身体に染み込ませ血肉にすることです。
その点から、スポーツと同じといえます。

漢字でも英単語でも何でもそうですが、最初は無味乾燥に感じるものを覚えるとき、何回も書いたり声に出したりします。
それらがいつの間にか身に付いて来て、文章が読めるようになる。
素振りを数えきれないほどやってこそ、ヒットやホームランが打てるようなものです。

また暗記とは学問をする上でのを作るものです。
その意味で、武道や能といった世界とも共通します。

数学(算数)は暗記なのか?


受験アドバイサーで精神科医である和田秀樹氏が提唱している「暗記数学」というものがあります。
私は和田氏の受験観については疑問を抱きがちなのですが、この点は同意します。

「数学は暗記だ」を簡単に言うと「解放のパターンを身につけろ」です。
定評ある参考書でパターンを一通り覚えれば(暗記すれば)、中学〜大学受験など試験全般に対処できる、ということです。

数学(算数)と暗記は無縁というイメージが強い気がしますが、むしろ数学こそ暗記力が最も要求される教科と言ってよいでしょう。
私たちが最初に習い最も使っている暗記物は九九であったのを思い出して下さい。
四則演算を覚え、図形を覚え、割合を覚え、比率を覚え……と覚える(暗記する)ことの積み重ねで算数・数学は出来ています。
逆に、1つでも覚え忘れたらつまづいてしまいます。
算数に苦手意識を抱いてしまうのはこのためでしょう。

エビングハウスの忘却曲線とアウトプット


暗記というのにネガティブな印象を抱くのは、「すぐ忘れるから」と経験上感じていることが多いからだと思います。
では忘れないためにはどうしたら良いか?
アウトプットを繰り返すしかありません。

有名な「エビングハウスの忘却曲線」というのがあります。
100年以上前にヘルマン・エビングハウスというドイツの心理学者が、「人間はものごとをどれぐらいの期間で忘れるか」を発見しました。
これ簡潔に言うと、
「人間の記憶は、1時間後には50%以上忘れ1日後には70%以上忘れ1ヶ月後には80%忘れる」というものです。

つまり、すぐ忘れることは当たり前のこと、なのです。
ですが、これは頭の良し悪しに関係ないとされます。

逆に言えば、「しっかり復習さえすれば身につく」ということです。
具体的には、翌日、1週間後、1ヶ月後の最低3回は同じ箇所を復習する必要があります。

ここで求められるのは、地頭の良さではなく、努力やメンタル的な強さでしょう。

暗記力は、2乗で成長してゆく


冒頭の齋藤孝氏の著書に、その点について以下の記述があります。

暗記力については、努力に比例して成長するというよりは、努力の2乗で効果をあらわすと考えた方がいいでしょう。
y=xというより、y=x²のイメージです。
勉強や暗記というものは、はじめは1の努力の2乗で1の結果だけしか獲得できないところがあります。続けてみても、2の労力の2乗で4の効果だけしか獲得できないように思えたりもします。そのため、はじめは「なかなか進まないなぁ」とじれったくも感じられるプロセスを経験するわけです。
しかし5の努力の2乗は25であり、100の2乗は10000です。この2乗の「後半になるほどグングンと伸びていく効果」といったらすばらしいと思いませんか?記憶に慣れるほど、精神的負担も減り、暗記や学習の効果は加速度がついてゆくのです。P.59より


誰でも最初は覚えられなくて、イライラするものです。
しかし数をこなす事によってスムーズになり、徐々に理解も深まり楽しくなってくる。
結果、勉強に熱が入り、成績が上がったり、試験に受かったりする。

つまり、暗記や勉強の成果は、努力に比例するのです。
これは昔ながらの努力論とは違う、科学的に裏付けられた努力の成果と言えます。

暗記と科学的努力の重要性を子供に伝える


上記のようなことについて、多くの小学生は知りません。
中学受験をする児童でも、暗記や効率の良い復習の重要性を意識しているのは少数かと思います。
「勉強しているのになんで成績や偏差値が上がらないんだろう。自分は頭が悪いんじゃないだろうか?」と1人悩んでいる子も多いかもしれません。
その時、親は「人間は忘れる生き物で、これは頭の良し悪しに関係ないんだよ。強い意志を抱いて、ちゃんと計画的に復習すれば、絶対良くなる」とアドバイスしてあえる必要があります。

本当は小学校のうちから、こういったことを教えてくれたら良いのですがね。
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tag : 中学受験 暗記力 勉強法

2015-06-29 22:45 : 家庭学習 : コメント : 0 :
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