適性検査で必要な4つの国語力とは?

公立中高一貫校では、問題の文章量が私立校と比べて多いのが特徴です。
これは、適性検査というものが、国語・算数・理科・社会と教科別ではなく、「算数と社会」のように科目を混合横断的に作られているためです。

なので、算数でも単純な数式だけの問題はほぼ出題されず、問題文から抽出して計算する必要があります。
社会や理科などもグラフや図が資料として出るものの、問題の要点は会話文などに記されています。
そして記述問題では基礎知識に加え、自分の考えや体験をまじえた解答が要求されるわけです。

事実上の入学試験にもかかわらず「適性検査」や「受検」とこだわって称しても、私立校と差別化を図っている大きな点はこれら問題の性質なのです。(年々私立校よりな問題が目立ってきてはいますが)。

適性検査を解くとはつまり文章を読み解き記述する、ということです。
そこで何が必要かとなると、やはり国語力となります。

では、適性検査で必要とされる国語力とはどういったものなのか?
個人的には、4つの国語力が必要だと思います。
以下にまとめてみました。

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読解力-何が説明され、どこを要求されているか?


国語力=読解力とよく言われ、事実その通りです。
読解力を簡単に言い換えると読み取る力です。

試験で言えば「文章の主旨は何で、どういったことが問われているか」を把握する力。
それを瞬時にスキャンするには、基礎的な漢字や熟語など言葉の意味を知っている必要があります。

論理力-仕組みを把握し、筋が通った記述をする


論理といえば数学的なものに思いがちですが、国語問題こそ論理力がより必要とされます。

日本語は論理的じゃない、とよく聞きますが、これは大きな誤りです。
日本語だろうが英語だろうが、全ての言語には論理性を有しています。
言語というのは道具であり、論理の有無は使い手側の問題にすぎません。

適性検査では解答の筋をしっかり通すこと(=論理力)が多く求められます。

抽象化力-共通点を見付ける


適性検査の国語問題では「2つの文章を比較して、共通点を述べなさい」といったのが出題されます。
ここで必要になるのが物事を抽象化する力であり、少し難しい言葉で言えば帰納法を使えということです。
帰納法とは「複数の具体例から同じ要素を取り出し(抽象化し)、その共通項から結論を導くこと」です。
簡単な例を挙げると、
  • Aさんは烏龍茶を飲む
  • Bさんはコーラを飲む
  • Cさんはビールを飲む
  • したがって全ての人間は飲み物を摂取する
といった感じです。

表現力-基礎が出来た上で演習を行う


国語問題をあつかう適性検査Ⅰでは、作文が課されます。
これは上記の力に加えて表現力が必要となり、また習得するのに最も時間がかかる力でしょう。
加えて適性検査では「自分の体験をまじえながら」ということも要求されます。
単なる要約だけではなく、体験例も書かねばならないのだから大変です。

国語においての表現力とは文章力を意味します。
これは読解力、論理力、抽象化力といった基礎を土台にして応用する技術のことです。
なので、まず基礎力を身に付ける必要があり、それが一通り出来た上で、演習に入ります。

ここで注意したいのは、普通の作文と適性検査の作文は別物であるという点。
作文が得意でも、試験向けの作文はまるで出来ないという児童が多いらしく、やはり特別な対策が必要なのでしょう。
塾に通わず家庭学習で公立中高一貫校を目指すご家庭でも、作文添削だけはプロに任せた方が良いと思います。
ちなみに私の息子は、塾に通う前はZ会の通信教育を利用していました。

ちなみに、塾なしで合格した『親子で挑んだ公立中高一貫校受験 』によると子供の作文対策を著者自身が行ったそうですが、著者は新聞記者という文章に強い職業というのを考慮に入れる必要があります。
本の感想については以下の記事をご覧ください。
塾なしで合格する方法はあるか?

適性検査の作文は、東大入試200字作文と似ている


適性検査の作文問題を研究してみると、何かに似ているなと感じました。
それは、かつて東京大学の文系向け国語問題であった通称「200字作文」です。
これは課題文に対して160字以上200字以内の感想を書くというもので、名物問題でした。
良問も多かったのですが、あまりに難易度が高く、また小論文とは違ったテクニックやセンスが問われることから、2000年に廃止されています。
最も有名なのは1985年のこの問題でしょう。

次の二つの詩は同作者の作品である。 作者の見方、感じ方について、各自の感想を百六十字以上二〇〇字以内で記せ。

「積もった雪」

上の雪
さむかろな
つめたい月がさしていて

下の雪
重かろな
何百人ものせていて

中の雪
さみしかろな
空も地面もみえないで

「大漁」

朝焼け小焼けだ大漁だ
大羽鰯(おおばいわし)の大漁だ

浜は祭りのようだけど
海のなかでは何万の
鰯のとむらいするだろう


この詩は金子みすゞによるものです、
初見の方は呆然とするでしょうし、いくら最高学府とはいえ入試問題としては常軌を逸しているかもしれません。
一方で東大入試の最高傑作との声もあります(ちなみにこの問題をキッカケに金子みすゞが再評価されました)。
これら東大国語の200字作文について詳しく知りたい方は、以下の本をオススメします。

東大入試 至高の国語「第二問」 (朝日選書)
竹内 康浩
朝日新聞出版
売り上げランキング: 262,489


「東大国語」入試問題で鍛える! 齋藤孝の 読むチカラ
斎藤 孝
宝島社
売り上げランキング: 266,585


東大の200字作文と適性検査の作文がなぜ似ているかというと、どちらも「読んで考えた事や感想を、出題者の意図を探りながら記述すること」を求めている点です。
特に桜修館中等教育学校は適性検査Ⅰが丸々作文となっています。
特に平成27年度では先の1985年の東大入試を彷彿させる問題が出題されており、明らかに200字作文を意識していると思います。
桜修館中等教育学校の過去問

日常生活で国語力を養うには?


以上、大まかですが、適性検査に必要な国語力についてでした。
国語力を養う最初の一歩は、以下の記事でも述べたように、読書習慣を身に付けることだと思います。
国語力を高める!中学入試頻出ジャンル50冊

ですが、論理力や共通点を見つける力も日頃の生活を通して養えるのではないでしょうか。
例えば「A君とB君は似ているよね(抽象化)。特に〜〜な所が(具体例)」みたいな感じの会話をしていたら、無意識に身に付くかと思います。
表現力は日常会話でも上手く説明することを意識すれば良いと思います。

また適性検査では「体験をまじえろ」といった事がよく求められます。
なので、思い出を極力作っといた方が良いです。
そして、しばらくたったらその頃の話をしたりする。
受検前なら特に意識したいですね。

こういったことは試験対策になるだけでなく、家族の仲も深まるはずです。

適性検査Ⅰ国語文章問題の出典と傾向については以下の記事をご覧ください。
公立中高一貫校国語文章問題の出典と傾向─2015年度版
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tag : 公立中高一貫校 対策 国語力

2015-06-15 23:06 : 国語対策 : コメント : 0 :
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