中学受験の失敗学から学ぶ

息子が中学受験をすると決めてから、数ある中学受験本を手当たり次第読んでいます。
最近読んで、痛快かつ参考になったのはこの本です。

中学受験の失敗学 (光文社新書)
瀬川松子
光文社
売り上げランキング: 25,295


著者が塾や家庭教師をした経験から、中学受験に関する珍事から過度な中高一貫校信仰への鋭い批判などが、極めてリアリスティックな目線で書かれています。

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中学受験熱病にかかった親たち


本書は3章に分かれています。

第1章は、度を超えた中学受験に熱心な親たち─本書では「ツカレ親」と呼びます─のとんでもエピソードが紹介されています。
たとえば
  • 子供の友達を異常なほど仮想敵とする親
  • 子供の実力が伴っていないのに高偏差値の学校しか眼中にしない親
  • 旧帝大に進学していない学校は意味ないと豪語する親
  • 子供に超過密スケジュールを押し付ける親
  • 子供がちゃんと勉強しているか部屋に盗聴器を仕掛ける親……
など、読んでいて吹き出すこともあれば、唖然とするエピソード満載です。
これらは極端な類かも知れませんが、著者曰く「これでも氷山の一角にすぎない」とのこと。

ツカレ親とはなにか?


2章では、そんな「ツカレ親」を分析します。
著者は「ツカレ親」自体は悪い親では無いとします。
我が子の事を思って懸命になり、教育熱心になるのは当然のこと。
では何なのか?こう定義しています。

「ツカレ親とは、子供の学力に見合わない志望校を掲げ、塾や家庭教師に費やした時間が勉強した時間だという勘違いのもと、どこまでも暴走を続けてしまう親のこと(p.83)」


そんなツカレ親をさらに3つ分別します。

セレブ系ツカレ親
高学歴で高所得のいわゆる「勝ち組」意識を持っているツカレ親のこと。
なので上流に過度にこだわります。
かといって御三家以外眼中にない、という訳でもなく志望校変更に応じることも多いそうです。
といっても、世間で名が通った学校に限ります。

庶民系ツカレ親
これは、自分よりも高い学歴を子供に身に付けさせたいという下克上タイプです。
「この学校に入れば、我が子の将来は安泰」という楽観のもと、子供の実力とは見合わない学校を志望校としてしまいがち。
結果、無闇矢鱈に塾や家庭教師の数を増やしてしまう傾向が多いようです。

エリート系ツカレ父親
「教育ママ」という言葉がありますが、最近は父親の方が中学受験熱病にかかる事が多いそうです。
概してこういった父親は、高学歴で社会的地位にいるエリート。
それを子供に押し付けてしまうわけです。
こういった父親の場合、教育ママより質が悪い。
なぜかというと、一家の主であり家計を握っているから、塾のコマ数も家庭教師も自分の判断でいくらでも増やせるから。

過度な理想を抱かず、身の程を冷静に受け止める


第3章はそうならない為の対策編です。
ここでは、そこまでして中高一貫校に入るメリットはあるのか?といった中学受験批判に近いことも書かれています。
また著者は、そのようなツカレ親を見てきた経験から「過度な理想を持つのは極力避けた方が良い」と警鐘を鳴らします。
なぜなら、現実が見えず塾や家庭教師など受験産業のカモにされて結局は何も成し遂げられず、お金も時間も無駄にしたケースが多いから。

また受験産業の営業トーク対処法は、非常に参考になります。

成功より失敗から学ぶことが多い


本書のメッセージを簡潔に言えば「身分相応にした方が、不幸になるリスクは減る」です。
身の程を知り素直に現実と向き合った方が楽ですよ、という感じですかね。

中学受験成功法や中高一貫校礼賛といった本が沢山あり実際そちらの方が売れる訳ですが、こういった逆の立場から見た書物にも目を通すべきです。
成功本は確かに元気が出ますが、得るものは少ないと私は思います。
なぜなら、成功には確固たる理由が無いから。
だけど、失敗には確実な理由があります。
なので失敗例を反面教師的にした方が、無駄なことやリスクを減らせると思います。
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tag : 中学受験 失敗学

2015-06-03 17:28 : 参考書 : コメント : 0 :
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