東大入試は難しい?―出題傾向とグローバル化

かつてほどの権威は薄れている東京大学ですが、日本における最高学府としての立場はいまだ揺るぎないものです。

腐っても鯛、ということわざがあるように、東大合格者数が週刊誌を毎年賑わし、『東大生が書いた○○〜』といった本や『東大生の実態調査』といったテレビ番組は常に見られます。

受験の世界において、その学校の東大合格者数が、偏差値や倍率に影響するのは周知の事実です。
東大を最終目標としているご家庭も、未だに多いでしょう。

また現在の中学生世代から、大学入試が激変します。
東大も今年(2016年)の入試から、推薦入試を取り入れるなど、舵を切り始めました。

そんな東大入試は一体どんなものなのか?
以下、ざっとまとめておきます。

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良問揃いの出題


東大の過去問に、目を通されたことはあるでしょうか?

意外に思われるかもしれませんが、現在の東大入試問題は、極めてスタンダードで、良問の宝庫とも言われます。
高校教科書の範囲を厳守し、奇問・難問の類はまず出題されません。
一説によると、東大の入試問題が、教育界だけでなく社会にも多大な影響を及ぼすため、模範となる出題を出さなければならない、という矜持があるからだとか。

決して簡単ではないのですが、大人が解いても頭の滋養となります。
特に、現代文は時代に見合った、論理力を強化する素材として最適です。
たとえば予備校講師の出口汪氏による以下の書籍は、単なる教養で終わるでなく実用にも使えます。

東大現代文で思考力を鍛える
出口 汪
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すべては、最高学府としてのプライドをかけた、作成者たる教授陣の努力の結晶と言えます。

浮世離れな問題が出たことも


もっとも、現在のようにスタンダードになったのは、ゆとり教育以降の話です。
それまでは、とんでもない難問が出題される事も多々ありました。

有名なのは、1985年の国語第二問でしょう。
名物であった「200文字作文」において、金子みすゞの2つの詩を対比させながら作者の見方、感じ方を書け、という問題。
絶対的な解答が無いに等しい超越的な出題で、東大受験生といえどあまりに酷とも評されました。

もっとも、この出題によって金子みすゞが再評価され、今日に至るまで国民的詩人と扱われます。
金子みすゞの才力のおかげでもありますが、いかに東大入試に影響力があるかを思い知らされます。
この問題については、こちらの記事にまとめているのでご参考ください。
適性検査で必要な4つの国語力とは?

一方、絶対的な正解がある数学においても、とんでもない難問が出題されたことがありました。
それは1998年後期数学第3問で、「数学オリンピックに出題されても誰も解けない」と揶揄されたものです(問題の内容は理解不能なので掲載は避けますが、調べればすぐ出てきます)。

解答速報を即日公表する大手予備校の数学講師陣ですらお手上げで、依頼を受けた大学教授や数学オリンピックメダリストなどが、一晩かけてようやく解答を出した、という逸話があるほどです。
つまり、大学入試史上最も難しい数学問題と言えるわけです。
以下の書でも、どれほど桁違いな問題であったかが書かれております。



当然ながら、完全に解けた受験生は1人もいなかったようです(部分点が数人いたとか)。
今から見ると、いくら後期とはいえ、数学講師ですら降参した超難問を出題したのは、あまりに不適切で、出題の意図は不明です。
ですが、ゆとり教育が目前と迫ることへの不器用な抵抗だったのかな、と個人的に思います。
実際、2003年には「円周率が3.05より大きいことを証明せよ」という問題が反響を呼びましたね。

英語は難化、そして標準化へ


もう耳にたこが出来るほど聞かされている、グローバル化
東大も例に漏れず、グローバル教育を意識し、昨今の入試において変化しています。

今年2016度入試からは、これまでの後期試験を廃止して、推薦入試を設けました。
ただしこの推薦入試、各高校男女1名ずつで、定員100名というあまりに狭き門で、現実的な入試ではありません。
(旧後期試験も定員が100名で倍率が恐ろしいことになっていましたが)
ということで、大半の受験生にとっては、関係ない制度といえます。

ですが、グローバル化の流れを受けて、問題そのものの質や量が大きく変化するのは、やはり英語です。
東大に限った話ではありませんが、先にあげた国語や数学が軟化していったのに対し、英語は年々難化しています。

ちなみに、難関大学入試で必要な英単語のボキャブラリーは、約5000~6000と言われています。
英検2級〜準1級の間ですね。
難化するにしたがって、さらなる語彙増加が図られ、英語の出来不出来が、合否をよりいっそう左右することになるのは言うまでもありません。

もはやアジアトップの大学ではないが・・・


グローバル化のついでとなりますが、東京大学の国際評価に目を向けてみましょう。

毎年、各研究機関が世界大学ランキングなるものを発表しています。
10年ほど前までは、世界的にも上位に位置し、当然アジア首位にいた東大ですが、残念ながらここ数年は下向しています。

QS世界大学ランキング2016によると、東京大学の世界順位は34位で、アジアでは5位となっています。
ちなみに、アジア1位と2位はシンガポール国立大学と南洋理工大学で共にシンガポールの大学です。
次いで3位は清華大学(中国)、4位は香港大学(香港)となっています。
関連記事はこちら↓
日本の大学は何位? 世界大学ランキング2015

センター試験が廃止され、少子化とともに大学入試が変貌するなか、グローバル化を目指す日本の教育界。
その頂点に立つ東京大学。
その行く先は未知数で、ある種のギャンブルに近い(かつての詰め込み教育やゆとり教育のように)気がするのですが、やはり私たちと密接した話であるので、しっかりと注視していきたいところです。
また、近々QS社の新しい世界大学ランキングが公表されるので、発表次第、記事にしたいと思います。

なぜ、我が子を東大に行かせたいのですか?
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上記の本は10年近く前に出版されたのものですが、公立中高一貫校設立と東京大学の変革を探ったルポルタージュで、一読に値します。
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tag : 東京大学

2016-09-15 22:49 : 大学進学情報 : コメント : 0 :
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