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灘校生 vs 佐藤優!「未来のエリートとの対話」読書感想文

日本屈指の難関校、私立灘中学・高校

 

東大や医学部の合格者数を多く輩出している学校として、1960年代の終わりから現在に至るまで、その名を全国に轟かせています。

 

そんな現役灘校生と、元外務省主任分析官で現在はベストセラー作家となっている佐藤優氏との対談本が出ています。

 

以下、感想文をどうぞ!

「エリート」という少数派になる者たちへ

本書は2013、14、15年の各4月に、現役灘高生たちが佐藤氏を訪れ、そこで対談したものがまとめられています。

 

ただし対談とは言っても、編集の都合からか、佐藤氏の発言が8割となっています。

灘校生は、質問か、佐藤氏から聞かれた基本的問題(歴史の年号など)に答えるポジションに回っています。

 

君たちが知っておくべきこと: 未来のエリートとの対話
佐藤 優
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話の内容は、大学生のゼミレベル(もしくはそれ以上)で、現代社会の論点から歴史、そして哲学的な問題まで及びます。

 

逆に、普段どんな学校生活を送っているのか?といったことは皆無なのです。

(活字にされてないだけで、実際の現場では話されたかもしれませんが)

 

佐藤氏は、

エリート予備軍である者たちに、真のエリートになって欲しい

という思いを抱いて対談に挑んだといいます。

 

佐藤氏といえば、埼玉県立浦和高校から、同志社大学神学部で学び、修士号を取ったあと、外務省に入り、ロシアで外交官を努めます。

 

専門職員(ノンキャリア)でありながら、持って生まれた知識欲やそれまでに培った教養を武器に、学術界の知識人から、ゴルバチョフ、エリツィン、プーチンといった大統領クラスの政界人まで、多くのコネクションを築きました。

 

関連記事・中学生にオススメの本!佐藤優『先生と私』は受験勉強の参考になる!

 

佐藤氏はそこで、桁違いの力を持った本物エリートたち、を目の当たりにします。

 

もちろん外務省という中枢的行政機関にいるので、日本国内でエリート道を歩み続けている人々も、嫌というほど目にすることになります。

 

そういった経験を踏まえながら、佐藤氏は灘校生に希望を込めてこう言います。

 

君たちはすでにエリート予備軍で、特権的に地位にある。だからこそノブレス・オブリージュの意識を持って、真のエリートにならなくてはならない」と。

日本のエリートは後進国型

佐藤氏は、経済学者の竹中平蔵氏との対談を踏まえて、

日本のエリートはいまだに後進国型だ」と言います。

後進国型エリートとは、どういうことか。

それは、

先進国に追いつき追い越すために、理解力は二の次で、とにかく記憶力が良くてそれを出し入れでき子供を集めて教育する

というもの。

 

そうすれば、処理力が高い人材が生まれるので、中央省庁の仕事でもそれで務まる、ということです。

 

ですが、そんなものはもう通用する時代ではありません。

 

佐藤氏を訪れている灘校生たちなどは、そういった旧来型エリート育成を行っている現状に違和感を抱いていますし、次なるステップの模索のため、こういった対談を行っているわけです。

受験勉強は役に立つ

現在の後進国型エリート育成といえば、すぐに受験勉強が浮かぶかもしれません。

 

それに対して佐藤氏は、「受験勉強は絶対に役に立つ」と断言します。

 

これは他の著書でも再三言っていることですが、受験勉強で得る知識は、思考の鋳型(基礎)を形成する上で不可欠なものだからです。

 

中学入試も高校入試も大学入試も、実は同じで、全て基礎を踏まえた問題が出題されます。

 

そして、そこで固めた基礎は、一生役に立つのです。

 

たとえば、英語や数学などは、基礎が出来ていないと絶対に前へ進めません。

 

国語も、漢字や熟語を覚えていないとテキストの読解は出来ません。

 

この本においては、世界史に関する議論が多くでます。

 

世界史の年号や名称といえば、暗記問題の代表になっていますが、

これらをしっかり頭に入れていないと、歴史認識や現状の問題把握がぐらつき、非論理的な考えや主張をしてしまうのです。

 

佐藤氏はイギリスやロシアの歴史教科書との比較や、

歴史の基礎知識が欠けているために非論理的主張に陥っている識者の本を例に、その重要性をときます。

学歴エリートに終わらないために

、という全国トップの学校に合格した学生たちに、佐藤氏が伝えたいことは一貫しています。

 

それは「学歴エリートで終わるな」ということ。

先にも書いたように、佐藤氏は外務省にいた経験から、典型的なエリート街道を歩んできた人、を多く目にしました。

 

ですがその多くは、ブランド欲しさや出世欲を満たすために役人になった人がほとんどだった、と言います。

 

佐藤氏は、新人たちの教育係を受け持った経験があります。

 

その時、氏が気付いたのは、

高学歴であればあるほど、プライドが高くて自分の間違いを認めようとせず、その結果成果を残すことができない人が多かった」

ということ。

灘校生ともなれば、東大や京大は当然として、海外の有名大学(ハーバードやイェールなど)に入ることが自然と視野に入っているでしょう。

 

ですがそれが目的ではありません

ひとつの手段です。

 

学校に入って何を学ぶのか、将来的に何をしたいのか。

 

そんなことを常に考えながらしっかり勉強し、真のエリートになって欲しい、という佐藤氏の思いがにじみ出ている書となっています。

 

そんな面からも、灘だけではなく、難関校に入るのを目指しているご家庭には、ぜひ一読されて欲しい良書です。

 

最後に参考としてもうひとつ。

 

灘高を超進学校化させた国語教師として有名な、橋本武先生の著書も必読です。

 

橋本先生は2013年に101歳で亡くなられましたが、

教え子には作家の遠藤周作濱田純一元東大総長などそうそうたる教え子がいます。

 

超進学校にさせた立役者の思いがつまっています。

 

中学受験を考えている親御さんは、ぜひ読んで頂きたい一冊です。

 

伝説の灘校教師が教える 一生役立つ 学ぶ力
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